【読了】世界のマネーは東へ動き出した!

書評はブクログにまとめようと思っていたけど、早くも気が変わりました。
個人的な備忘録です。


内容ざっとメモ。

・2010年2番底が来る。(円高、デフレ、大不況)
・失われた20年(ソフトに推されていたのに、かつての大量生産戦略を変更できなかった。輸出に力を入れすぎて内需を疎かにし、好景気なはずなのに個人レベルで実感できなかった。)
・2011年からチャンス到来する可能性。
・東アジア構想体がうまくいけば、EU,USA,ASIAの三国志状態になれる。
・遠い将来まで見据えれば、ASIAが一番力を持つ。
民主党全面支援。


楽観的、悲観的と両方のケースでこれからのシナリオを想定しているが途中から、
日(日本)はまた昇る、日本の文化に世界が注目する、
民主党の政策(子供手当て、授業料無料化)に賛成、と
かなり楽観的にかたよっていたが、久々に前向きな本を読んだ事もあり、わくわくしながら読めた。


2010年の不況、円高は想像するだけで恐ろしいけれど。。


以下、所感。


■賛成、納得
アジア(ほとんど中国)がさらに力をつけていくのは必然で
桁違いの人口、マーケットにより、中国を中心に経済が回っていくであろう事は想像できる。
個人的には共同体にシンガポールも入ってもらいたいけど(教育・人材投資の模範として)、やっぱムリか。。


民主支援、というより、もういい加減変わっていかないとまずいでしょ。
確かに事業仕分けの効果が低いとか、スーパーコンピュータのミスジャッジとか
普天間で優柔不断とか問題は次々と発生しているけど、
だから昔に戻ろう、にはならないはず。
年金破錠、雇用崩壊、核隠蔽、改善すべき問題は山ほどある。
仕分けのネット中継2日分だけ見たけど、毛利さんの案件以外は民主結論に賛成だったし。


■ひっかかる点
中国が力をつけるのはわかるが、日本もそれに乗っていけるとは限らないかと。
雇用賃金も桁違いな中国に移るのが今の流れなので、
大企業はどんどん外にでていっているわけで。
もちろん他国企業も中国に進出していくはずで。


それと、日本の技術力は未だに世界一? 20年失っているのに?
韓国や台湾の台頭に気づいてない?シンガポールの人材戦略にも?
90年代ソフトパワー台頭してきた頃、日本は大量生産し続けていた為に20年失ったとあったが
そのパワーはアメリカに限らず、中国、韓国、インドなど数多い。
今からソフトパワーでインドに勝つのはなかなか。。(もちろんやらないわけにはいかないけれど。)


自分も元SEなので(現在も似たような職種だが)日本のソフトの多重、偽装請負は沢山見てきたが、
この構造のままソフトパワーが伸びていくとは思えない。
(外にばかり目を向けて、内需(技術者)を疎かにした結果だろうし、まだ改善も見えない。
ここは労働法、派遣法の改正と、同一賃金同一労働の施工が必須だと思うが、そのニュースは未だ聞こえてこない。)
正直、英語がもっと堪能なら外に出るべきだと思う。


それと、アメリカがこのまま衰退していくとは思えない。
新技術や異文化を貪欲に(greed capitalism)吸収していくのがアメリカだから。
例えオバマ大統領の支持率が下がっても、アフガン問題が長期化しても、
企業レベルでの技術力は向上していくと推測する。


途中から随分楽観的に偏っていたので、
本当にこうなったらいいなぁと思いながら、あっという間に読み終えれた。