【読了】 フリー 〈無料〉からお金を生み出す新戦略

PHPやらMW2やらに気を取られ、思ったより時間がかかった。
けれど今年読んだ本の中ではベストかも。
世の中は間違いなくこの方向に進んでいくし、
だとして自分はどうすべきなのか、といった事を考えさせられた。

以下備忘録として。
内容ざっとメモ。


デジタルのモノはいずれFREEになる。
FREEからもお金儲けは可能。
無駄を受け入れる。
FREEは別の何かの価値を高める。
贅沢な情報はFREEになりたがり、稀少な情報は高価になりたがる


FREEの利点
金銭を支払うという決断が不要になる。
それを得るためのリスクが無くなる。
買った後の後悔など。


■FREEの種類
・直接的内部相互補助
1枚かったらもう一枚はタダ。(DVDや服など)


三者間市場
無料で消費者に与える代わりに、他から収益を得る(広告・メディア系)


フリーミアム
無料体験版(ゲーム、化粧品、髭剃り)を先に体験してもらい、
その後に収益に繋げる。

オンラインの場合は、基本ユーザ(95%)と有料ユーザ(5%)


・非貨幣市場
評判・注目


FREEの起源は19世紀までさかのぼり、
技術が進化し、大量にモノが生産されていく毎にその価値は下がり、
FREEに近づいている。(アトム経済)
多量の体験版、体験商品を作成してもコストを吸収できるように。
(評判を先に買う、というイメージか。)

一方のデジタル経済(ビット経済)は
ここ10年くらいのIT急成長に伴なう、HDDやメモリの高性能化、急激な単価の下落により、
オンライン上に様々な無料サービスが溢れており、そのバリエーションも多々。

例えばSNS系サービスは5%のユーザが他の95%ユーザ分のコストを抱えるが、
実質のコストがほとんどかからないので、この割合でも運営できるそう。
(最近だとMixiFacebookGREE、ニコ動、Twitterはてブなんかがこのモデル)
もちろんこれに広告収益が加わる事になる。


デジタルに代換できるものは、その実質のコストがほとんどかからない為、
今後さらにデジタルへの移行(クラウドへの移行)が加速していく事になる。

例えば経理や事務作業は移行可能、司法の業務も全てとは言わないが移行可能。
移行する度、ホワイトカラーの仕事が減っていくことを意味しているが、
それに伴って異なる価値観、異なる稀少性が生まれてくるので、うまくそれにのれるかが重要。


この本を読む度に、著者の前作、ロングテールが読みたくなった。
それは超ヒット商品には大量のマネー、多量の注目が集まるが、
それ以外の商品はほそぼそと(しかし無くなることはなく)存続していく、という理論。

同じことがFREEにも言えそうで、最新の技術、最新の情報に多大なパワーが投入されるが、それ以降どうあつかっていけばいいのかという事を知りたくなった。
(例えば映画、音楽、車、化粧品などは、作成費、開発費には多大な費用が必要だが、作成してしまえば流通にかかるコストはほとんどなく
評価が良ければずっと存続してく事になる。)

これからの経済が気になる人は是非手にとって読んでもらいたい。